地球緑化クラブの砂漠緑化ツアーでは、毎回その季節に適した作業を行なっていたただきます。

 砂漠緑化とうと、私達は高木の「植林」をイメージし、森をつくることだと考えがちです。しかし、乾燥地帯に森をつくることは気候面から見ても正しくありませんし、地元の住民の賛同も得られにくいのです(詳しくはこちら)。

 砂漠、私達の活動地でいえば流動砂丘を緑化していくことは、植林だけでは不可能です。砂を固定し、草を茂らせ、草原のような形態で緑化していくことが望ましいといえます。そして植林はこういった草原をサポートする防風林などが好ましいといえます。

 こういった現状を踏まえ、皆さんにはその季節に最も適した作業を行なっていただきます。具体的にそれぞれの季節に適した活動を挙げますと、3月から4月までと9月下旬から10月にかけてはポプラなどの植林をはじめ、潅木の植栽などが適しています。また、年間を通して(冬季は除く)砂の移動を止める「草方格」作りを行なうことができます。3月から7月下旬までは牧草の種蒔きが行なえます。これら以外にも夏は花の、秋は牧草の採種も可能です。

 どの季節のツアーも、様々な活動をしていただいております。緑化活動の充実ぶりは、当団体の特徴でもあります。

 ここでは主な活動である「ポプラ植林」と「草方格」のつくり方を中心に説明いたします。それぞれの活動の意味、目的についても簡単に説明していますので参考になさってください。
 ポプラの植林は、砂漠緑化の中でも最も一般的な作業だといえます。多くの団体が砂漠緑化ツアーでの主な活動をしています。当団体では、この作業を適期ににおいて必要な(現地住民が求めている)分だけ行ないます。
 ポプラの植林は目的もなしに行なうと、あらゆる弊害が出てる。まず考えられるのは、農地や草原の縮小である。生育率を上げようとすれば、どうしても条件の比較的よい土地に植えなければならない。しかしそういった土地は、実は農地であったり、草原であったり、今後農地になる可能性を秘めた土地でもある。農地の拡大は砂漠化を引き起こすともいわれているが、だからといってそこに木を植えてしまえば、現地のに住む人々の生活は確実に苦しくなっていく。

 植林の結果、森ができたとしても、より貧しくなった現地の人々は日々の生活のために、燃料として切り取ったり、家畜を放すなどしてその森を守ることはできず、再び森を失い砂漠化を引き起こすことになる。

 ポプラの植林は畑や道路、用水路を守るための防風林や、飛砂を和らげる防砂林である必要がある。つまり、植えるべき場所は畑屋や家の周り、道路や用水路の脇、移動砂丘との境界といったところになる。こういった土地で「森」という観念が生まれるのは、まだまだ先といえる。
@植栽可能な場所
 畑の周りや道路、用水路の脇に植える際は、灌水ができることを条件に特に問題にならないが、移動砂丘に植えるには植える場所が限られてくる。

 私たちが活動しているクブチ砂漠では、北西からの強い季節風が吹く。そのため、砂丘は図のように西側がなだらか、東側が急な斜面となる。また地下水の様子は、西斜面は常に表面の乾いた砂が飛ばされているため、地下水は地表付近まで来ている。逆に東斜面は、常に乾いた砂が被ってくるため、地下水は低くなっている。
Aすべてに植栽してしまうと
 砂の移動を考えると、頂上付近である「A」での植栽はできない。さらに、西斜面の砂が飛ばされているということは、「C」に植栽するとすぐに根がむき出しになってしまう。つまり、移動砂丘で植栽できるのは「B」のくぼ地(丘間地)周辺だけということになる。

 「B」に植栽したものは根付いた後、さらに砂をかぶり徐々に砂に埋もれていく。一見これにより苗木が埋まってしまいそうだが、砂が被り徐々に地下水が上昇してくると、砂に埋もれた幹の部分からまた多くの根が張り出し、生育が良くなる。ただし、10年以上たつと、一度埋もれた部分もさらに砂の移動が進み、再びそこがくぼ地となっていく。だらか砂丘に植栽するには、必ずあわせて砂防工事(草方格など)も行う必要がある。
B苗木の掘り出し
 隊員には苗木の掘り起しから行ってもらうこともあります。苗は通常3年生のものを使る。ポプラの苗木は挿し木で作り、春に挿すと1年で1m以上にもなる。翌年の春先に根だけ残しすべて切り取ることにより、勢いのある丈夫な幹ができる。切り取ってから2年生育したものを苗木として用いる。これを現地では2幹3根と呼ぶ。場合によっては1幹2根を用いることもある。

 掘り出し方法は、幹から20cm離れたところにスコップをいれ、幹を中心に円を描くように根を切っていく。深さ30cmのところで直根を切り、掘り起こす。かなり力のいる作業になる。根はできるだけ1回で切り、切り口をきれいにする。

 まだ芽吹いていない時期は、土で根鉢を作る必要はない。