草方格をつくってから2年後、砂丘は見事に緑を取り戻した。

 この状態ではまだ不安定だが、牧草や潅木が順調に続ければ間違いなくここは緑豊かな土地になる。

 砂丘上部は草方格で固定していないため、砂丘上部の砂もほぼ見られなくなった。
 牧草や潅木は2年目頃から花を咲かせるようになる。

 ここまでくればほぼその地での活動は成功といえる。
 花が咲けば種もできる。3年目頃からは種が収穫できるようになる。

 草方格をつくる資材は枯れ草を利用し、そこへ播く種は自分達のところで収穫できる。

 このサイクルができあがれば、流動砂丘を牧草地へ変えるコストがかからない。地元の牧民たちも無理なく活動を続けることができる。

 彼らは家畜を飼うために牧草が必要である。その牧草を得るために流動砂丘を牧草地へと変えていく。その目的は砂漠緑化活動ではないかもしれないが、その地に根付いた活動といえる。生活にと県込んだ活動であるからこそ、緑を拡大、繁栄させることができる。
 写真で紹介している牧草は「羊柴」という半潅木である。

 今この種子は大変高値で取引されている。牧草地を作るためにはじめた流動砂丘の緑化が、思わぬ利益をもたらす。

 この収入が大きくなれば、地元の人々は放牧をやめることも可能になる。砂漠化の原因であった過放牧も、近い将来なくなる可能性がある。
 種が採れるころには自然の力で緑が広がるようになる。

 種が落ち、そこから発芽し根が広がればまたそこから萌芽する。砂の移動を止めることから始めた活動が、数年後には見違えるような景色を作り出してくれる。

 緑が増えれば生き物たちも戻ってくる。虫達は花粉を運び受粉を助ける。鳥達は種を運び緑を拡大させてくれる。

 こうした土地がこれから増えてくれることを願っている。そのきっかけにこのページがなれば、私達も嬉しい。