植えるのは牧草だけではない。その地の気候に適した潅木も植えていく。

 潅木は草方格のマスの中に植え、牧草と共に治砂効果を発揮させる。
 潅木の苗はとても小さいものだが、意外と活着率は高い。季節を間違えなければ7割以上が根付く。植栽後に雨が降れば、その率は更に向上する。

 牧草もそうだが、草方格に植える植物はマメ科などの窒素固定をする植物が望ましい。

 マメ科の植物は空中の窒素を地中に固定させる菌を根に持つ。地中の窒素分が増えるということは、土壌がよくなることを意味する。

 土壌が肥えていけば、いずれ他の植物も生育できる環境になる。
 こうしてつくった草方格とつくらなかったところの違いを見る試験をした。

 半年後、草方格をつくったところは砂移動が抑えられているのに比べ、つくっていないところは30cmもえぐられてしまった。

 挿し木をした沙柳が今にも倒れそうである。この挿し木は上部3cm程度を地表に出してあっただけである。
 地中の水分を補給した種子は、早ければ10日間で発芽する。

 その後も砂の移動が止まっていれば、植物達は順調に生育を続けていく。
 牧草も潅木も宿根性であるため、冬を越しても翌年芽が出てくる。そしてその株は年々確実に大きくなる。

 草方格自身が分解され、効果が薄れたとしても、こうして牧草や潅木が生長していれば、治砂の効果は変わらない。地上部が草で覆われている分、効果は草方格よりも大きいともいえる。
 潅木は始めの1〜2年は生長がゆっくりであるが、根が張り巡らされた3年後以降は根萌芽をしながら株を大きくしていく。

 潅木の中には換金性のあるものもあり、砂漠の人々の収入に繋がることにもなる。