植生のほとんどない流動砂丘。ここを緑化していくことは難しく、そのため砂漠緑化といってもこの流動砂丘の周辺を緑化するにすぎませんでした。

 しかし、この流動砂丘を緑化しなければ砂漠の緑化は不可能です。この流動砂丘の緑化を可能にしたのが「草方格」と呼ばれる砂防技術です。

 ここでは流動砂丘の恐ろしと、その流動砂丘を草方格で固定し緑化し、さらにはそこで収益が上がるまでの流れを写真付きで説明します。地球緑化クラブならではの活動方法ですよ。
 流動砂丘といってもピンと来ない。日本にはそんな砂丘はないからだ。だからその恐ろしさもなかなか理解できない。

 砂の移動はおもに季節風で起こり、年間10m以上簡単に移動してしまう。季節風は毎年同じ風向きであるため、砂漠は常に同じ方角へ移動していくことになる。

 写真は砂丘の移動を表したものだ。中心にポプラが埋まっているのがわかる。ポプラは砂丘東の丘間地に植えられていた(右が東)。つまり砂丘の頂上は左の人のところであったことになる。

 それが1年後、砂丘の頂上は右の人のところまで移動している。1年間で砂丘が10m以上西から東に移動したことになる。
 砂の移動あるいは防風のために、よく砂丘の中にポプラを植える人がいる。

 しかし、砂の移動はそう簡単には止まらない。ポプラは見事に砂に飲み込まれてしまっている。
 逆に砂が移動したために倒れることもある。根が張れば砂の移動は抑えられるが、これは草や潅木が茂ったときの話。

 高木はそれほど密に地中に根を張らないので、やはり砂の移動が起こり簡単に倒れてしまう。

 流動砂丘を緑化するには、この砂の移動を抑えることが必要になる。
 砂の移動を止める優れた技術に「草方格」がある。草方格は枯れ草などを地中に碁盤の目状に差し込んでいくことで、砂の移動をとめさせるものだ。

 私達はこの草方格を利用して、流動砂丘の緑化を行なっている。枯れ草を並べる際、地面に簡単に線を引く。

 この線の上に、その地に適した植物(できれば牧草となる植物)の種を播いていく。
 その上に草を薄く並べ、草の中心をスコップなどで地面に挿し込んでいく。

 この時、先に播いた種も同時に水分のある地中へと入っていく。

 単純な作業だが、その砂防効果は本当に大きい。
 草方格は砂丘の上部には施工しない。草方格を作ると砂の移動がほぼ抑えられる。つまり砂丘全面を草方格で覆ってしまうと、そのままの形で固定されることになる。

 山がいくつもあってはあとの利用がしにくい。そこで毎年同じ方向へ吹く季節風を利用し、砂丘上部の砂を隣の丘間地におとしてしまう。

 こうすることで数年後には砂丘はほぼ平らな土地へと変えることができる。

 また、施工は砂丘の風上側(クブチでは西側)の斜面だけに行なう。風下斜面に施工しても、砂に埋没してしまいあまり意味がない。

 この方法であれば、施工地は砂丘全体の3分の1から4分の1程度で済み、経済的であり労力も少なくてすむ。