プロジェクトパートナーの募集

 地球緑化クラブは地球温暖化対策に向けた植林事業、砂漠緑化活動、企業CSR活動などをご提案いたします。事業規模の大小は問いません。企業、団体、個人のみなさまからのご要望に沿えるようなプロジェクトをご用意いたします。
 みなさまのご期待以上の活動ができるよう、経験豊富なスタッフがご対応いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

地球緑化クラブ~「5つ」の約束~

  • 1. 地球緑化クラブは非営利団体です。
  • 2. 現場をいちばんに考えます。
  • 3. 現地の人との関係を大切にします。
  • 4. 持続可能な活動を目指します。
  • 5. 技術向上を常に心がけます。

その2 こうして解決!

 流動化した砂漠を緑化するために、最も重要な作業が砂の移動を固定することです。中国には砂を固定化する「草方格(そうほうかく)」と呼ばれる技術があります。草方格は草や枝などを碁盤の目状(通常1m×1m四方)に地面へ差し込んで植物の根の役割りをさせ、砂の移動を抑制させる技術です。本団体はこの技術を改良し、より効率的かつ効果的な方法を確立しました(詳しくはこちら)。

 こうして造成された草方格のマスの中に、低木や多年草の牧草などを植栽します。草方格は3~5年で微生物や紫外線により分解されますが、その間に植物が成長し、その根が砂を固定化させることで砂地は安定した状態となります。5年目頃からは実生あるいはランナーで徐々に緑地は拡大し、不毛の地は多様な植物が生い茂る緑豊かな土地へと生まれ変わります。

 当地では今まで砂漠は利用できない土地とされていました。しかし、実際に牧草が生い茂る姿を目の当たりにし、今では安定した牧畜業に必要とされ、現地の人々が自立化した活動を行っています。

産業との結びつきと自立化の重要性

 ボランティア団体が行なう活動には限界があります。これは資金的・期間的の両面の問題からいえることです。さらにボランティアによる緑化活動には広がりが生まれにくいという弱点もあります。寄付や助成金で木を植えて森はつくれます。しかし、維持・拡大が難しく、なかなか広がりが生まれません。同じ活動をするにしても、その活動を地元の人が進んで継続し、拡大できなければ広大な砂漠を緑化することは不可能です。

 カシミヤ産業が中国(モンゴルも含め)の砂漠化に大変大きな影響を与えていますが、この産業を無視することはできません。現地の主産業が砂漠化の原因であれば、そこに結びつけた緑化活動が必要不可欠です。これは「砂漠化の原因」に対し「正しい処方」をしなければ緑化は実現できないためです。中国などで良く行われているポプラなどの高木を植える活動は、明日の生活に精いっぱいの現地の人々にとっては「燃料となる薪」と判断され、多くが伐採され再び砂漠化が起こる可能性が高いと言えます。産業と結びつける重要性はここにあります。本団体が行っている活動は、過放牧により流動化した砂丘に対し、草本類や低木類を植栽することです。これらの多くは牧草として現地の人々が活用できます。

 なぜ牧草となる植物を多く植えるのか。それは緑地が増えることで、彼らの生活が豊かになることを実証するためです。不毛の地であった砂漠に、自生種である牧草となる草木を多く植栽すれば、まだまだ家畜を増やすことは可能です。もちろん緑を回復させた土地で、今まで通り過放牧を行っては元も子もありません。今まで通り自由に放牧するのではなく、砂漠化が進行しやすい冬には刈り取った牧草を与えるといった習慣も身に着けてもらうことが重要です。ちなみに、当地で植栽している草や低木は、いずれも定期的に刈り取ることで株も大きくなり寿命が長くなるという特性があります(萌芽更新)。植物にとっても刈り取るということは必要なのです。

 当地で行っている流動砂丘の緑化は、すべて現地で簡単に手に入るものです。草方格の材料となる草は、麦わらや緑化した土地で刈り取ったものが利用できます。植栽する植物は、やはり緑化した土地で種子を収穫したり挿し木を取ることが可能です。つまり、一度緑化してしまえば、拡大させるための費用はほとんどかかりません。彼らが家畜を多く飼いたいと思えば、自ら草方格をつくり、そこへ収穫した種を蒔いたり挿し木をするだけでいいのです。家畜をより多く飼うための作業は、実は自立化した緑化活動となっているのです。

 私たちボランティア団体は、つい「主役」になりたがってしまいます。しかし、現場作業の主役は「現地の人々」でなくてはなりません。私たちは彼らが「主役」として活躍するための基礎をつくることに徹する必要があります。そうすることで、少ない資金でも広大な土地を緑化することが可能となります。

流動砂丘の中を馬車で移動する
   草方格の材料となる麦わらを、馬車を使って運ぶ。場所によっては人力のみで運ぶこともある。
 麦わらを利用した草方格
   流動砂丘内に施工した草方格。本団体が長年の経験により、より効率的かつ効果的な方法を確立した。この方法は現在では日本の団体をはじめ、多くの団体が活用してくれている。
 草方格内に植栽をして3年目
   施工して3年も経過すれば、植栽した低木類や多年草が砂地を固定し始める。このころから飼料や草方格の資材として刈り取ることが可能となる。
 5年目
   草方格のマスに沿って直線状に植物が生い茂っているのがわかる。草方格は半分ほど分解され、草木の栄養となっている。
 8年目
   8年後には、そこが流動砂丘であったことがわからないほどに植物が生い茂る。地面のほとんどが見えなくなり、牧草は美しい花を咲かせている。この間、すでに数回牧草として刈り取られている。