砂の移動が起こる前に手を打てば、植生を回復させる方法はある。

 「封育」と呼ばれる方法で、柵で土地を囲い家畜の侵入を完全に防ぐ方法だ。降水量が300mm以上ある土地では、この方法はかなり有効である。

 しかし家畜を入れないということは、放牧しないということになる。ここに家畜を入れなければその分他で放すことになる。

 つまり「封育」では過放牧の問題は解決できない。過放牧を防ぐためには積極的の牧草地を増やす、あるいは職を変えるしかない。
 しかしながら封育を行ないながら、周辺の砂漠を牧草地化していくことは可能だ。

 封育した土地は、草が根を張り地面を固定し砂の移動を防ぐことができる。こうして生えている草は宿根性のものが多い。

 つまり根を残して刈り取っても砂の移動はおこらないということになる。砂漠化を引き起こさない大きなポイントは、根などによる治砂効果である。
 秋から春にかけて草が枯れる時期に地上部を刈り取る。刈り取った枯れ草は家畜の飼料になり、さらに優れた砂防効果を発揮する「草方格」を作る原料にすることもできる。

 荒れた土地の一部を封育することで、その地だけではなく流動砂丘も牧草地へと変える事が可能になる。
 条件の良い場所では草丈50cmにもなる。この長さは草方格をつくる最も良い長さであるといえる。

 過放牧で手遅れになる前に、こういったサイクルを完成させることが、砂漠化を引き起こさせない最低条件となる。そして、このサイクルが大きくなればなるほど流動砂丘は牧草地へと変えることができるようになる。

 私達砂漠緑化団体の存在意義はここにある。砂漠をいかに緑にするのかではなく、いかに緑にできるようにするかが大切である。

 このホームページで何度も書いているように、植林だけでは砂漠は緑化できない理由はここにある。